甘いペットは男と化す
 
「え、何その反応?もしかしていいの?」
「だ、ダメだよ!」


慌てて言い直すと、ケイは面白そうに笑って、前を向いて歩き出す。


「分かった。いいんだね」
「ダメだって!!」


一度隙を見せたら最後。

ケイはあたしの弱いところに迫ってくる。


「何もしないから。
 キスしか」

「十分してるじゃん!」


どこまで本気で言ってるのか分からなくて、
いつの間にかあたしが、いくつも年下の男の子に振り回されていた。









「え、ちょっ……本気!?」
「俺はいつでも本気だよ?」


夜になって、電気を消して向かった場所は、ソファーではなくあたしのベッドで……。


「アカリ、キスしたい」
「ダ……」


あたしの言葉は、最後まで言い切れない。


ケイからの甘い甘いキスは
必死にバリケードを張っているあたしの心にグイグイと入り込んでくる。


「…っこ、らっ……」


ケイのキスは、まるで子犬にじゃれつかれているようで
何度もちゅっと重ねられ、舐められ、軽く甘噛みをされた。


「ごちそうさま」
「……」


そして散々キスしたあとは
人を抱き枕のようにして眠るのだ。
 
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