婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
新しい一歩

すっかり 季節は秋になった。

今日は、おば様の命日…。
すすきが生い茂るこの坂道を登った先に、おば様の眠るお墓がある。

都内から車で 1時間半。
この小さな山の上にある墓地へは、途中から車を降りて徒歩で向かうしかない。
下の方に広がる海を眺めながら、圭司と並んで山道を歩く。

おば様はちょうど一年前、圭司がゆかりさんに撃たれた次の日に様態が急変してしまった。
同じ病院に運ばれていた圭司の意識が戻らないうちに、おじ様と私に看取られながら安らかに息を引き取ったのだ。

「なつ。大丈夫? 休憩する…?」

圭司は、へとへとになった私の顔を覗きこんでそう言った。

「ううん 全然大丈夫。」

息を切らせて私が言うと、圭司はふっと笑って私の荷物を自分の肩にかけた。

「ありがとう。」

圭司の優しい横顔に私の顔も笑顔になる。

ようやくお墓の前に着き、ふーと息をつく。

「あっ オヤジ来たんだ…。」

圭司がお墓に供えられたお花を見てぼつりと呟いた。
おじ様は、一年前におば様を看取った後、ずっと音沙汰がなかった。

「おじ様 どこにいるのかな…?」

「さあな…。生きてるって事だけは確かみたいだけどな…。」

圭司が苦笑いをしながら言った。





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