婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
見えない気持ち

「なつ… なつ…」

軽く肩を揺さぶられ、私はゆっくりと目を開けた。 

「おはよう なつ…。」

スーツ姿の圭司がベッド脇にかがんで、私の顔を覗き込んでいた。

久しぶりに会ったような気がする。
つい嬉しくなって 思わず圭司の首に手を回し抱きついた。

「いたっ…。」

頭を上げた途端、ズキンとこめかみに走る痛みに私は顔を歪めた。

「なつ 大丈夫か…? まあ 昨日あれだけ飲めばな…。俺 もう行くけど、薬ここに置いとくな…。」

あっ そうだった…。
昨日は歓送迎会に出て、途中で気分がわるくなって それから…?
それから記憶がない! 

「ねぇ 圭司…。私 昨日どうやって帰ってきたのかな…? 全く覚えてないんだけど…。」

「ああ 松井くんだっけ? 彼が連絡くれたんだよ。なつが飲みつぶれたって。で 俺が連れて帰って来たんだけど…。」

「そっか ごめんね 圭司…。仕事あったんでしょ…? 」

「そんなことより もう あんなになるまで飲むな…。」

圭司が私の鼻をつまんで言った。

「だって 勝手に注がれちゃうし、飲め飲めってしつこいから…。」





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