誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜


「あーっ、もう!なにがなんだか…っ‼」


くしゃっと髪を掻きあげると、カチャンとドアの開く音がして


肩にタオルをかけて、スエット姿の新井課長が姿を見せた。



「…えっ?」

彼の姿を見るなり、間抜けな声をだしてしまった私を見て


彼は可笑しそうにクスクス笑った。


「なにがなんだかって顔をしてますよ、果穂さん?」


「…その通りです。」



「居酒屋さんで話しをしてる途中で果穂さんぶっ倒れたんですよ?

ってか、あれは気絶じゃなくて、完璧に寝てましたけど。


居酒屋の店主さんに自宅まで送るように頼まれたけど、自宅なんか知らないし…


今、俺が住まわせて貰ってる寮に連れてきたんです。」





寝てた?


寝てた…。



そういや、昨日は真島課長との事を考えすぎてほぼ睡眠ゼロだった‼

無睡眠だったことも忘れてアルコールなんか飲んだから


急に睡魔に襲われてしまったんだっ‼




< 95 / 201 >

この作品をシェア

pagetop