穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
気づいた気持ち
週末

二人での勉強は継続している。

「スケジュール作り直した?」

試験までのスケジュールを作るように孝徳に言われて作っては見たもの、ダメ出しされ作り直す羽目になった。

「とりあえず」

「受からないよ」

「頑張る」

きっと今までで一番勉強してる気がする。

高校受験も短大もあんまり真剣さはなかったかも・・・

「頑張ってるのはわかってる。一緒に頑張ろうな」

「うん、ありがとう」

孝徳は変わらず優しい。

関係は"友達以上恋人未満"変わらない。


休みの時はお互いにきちんと自分の時間も作る。

と、言ってもたいてい孝徳の家で過ごしている。

「ねぇ孝徳?」

ソファーに座り本を読んでいる孝徳に話しかけた。

「ん?」

目線は本のまま。

「孝徳は前に一人が好きって言ってたけど、私ここにいても大丈夫?」

本から目線を私に向けた。

「なに?今更?」

「たしかにね。でも少し気になったから・・・」

本を閉じて、私の顔を覗き込んだ。

「へぇーそういうこと気にするようになったの?」

と、意味あり気に言う。

「えっ?」

「なんか咲希が優しいから」

「なにそれ?」

「なんとなくね。咲希、気分転換にドライブ行こうか?」

と、珍しい誘い。

「えっいいの?行く!!」

なんか嬉しくなっていた。

「なにそんなに喜んでるの?」

孝徳が立ち上がり、本を仕舞うと私の喜びように呆れているみたい。

「なんか嬉しい」

なぜそんなに嬉しかったのかわからない。

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