イケメン侯爵様とお試し結婚!?
―――その計画はつまり、こう。
畑作業用の汚い服を着て、普段の私の格好をする。
ヴァン様が来るまで、汚い格好でいるのを周りにばれない様に、ラフィアが見張りをする。
私は馬小屋で待機し、ヴァン様が馬車で入口に来たところを見計らって、お迎えする。
「我ながら、いい考えよね!私の普段の姿を見たら、びっくりして逃げちゃうかも!!」
「いい考えかどうかは判りかねますが、間違いなく破談になるでしょうね!」
ラフィアがさり気なく失礼な言い方をしていましたが、アマルダは全く気にしていない様子。
むしろ、破談になると言われ更に自信を持つアマルダ。
ああ!なんか楽しくなってきたわ。
どんな顔なのか知らないけれど、どんな顔するかしら。
本当の私を見て、幻滅しちゃえばいいのよ。
「さあ、明日は忙しくなるわよ!」
アマルダは拳を突き上げ、そう叫んだのでした。