俺の彼女が照れないんだけど。

ちくしょう!

なんでこんな奴が私の姉なんだよぅ!


目の前で足を組んで偉そうに座っている保険医。

此奴こそが何を隠そう、
"まいしすたー"なのだ


小学校の頃からの付き合いの私と藍。

私が藍を溺愛するのと同じく、よく家に来る藍を見て姉までもが藍の可愛さに一目惚れしたという。

それからというもの、一度藍が関わると毎日のようにこんな壮絶なバトルが繰り広げられている。

恐ろしい。こんな所で血の繋がりを感じるなんて。



_____ガラガラ


「失礼しまーす
愛しの藍ちゃんに会いに来ましたー」


静かに火花をちらす私達とは裏腹に、チャラくさったのほほんとした声と共に保健室の扉が開いた


「あらぁ〜!暁田くんじゃないっ
今日はどうしたの?」


お姉ちゃんの目がキラリと光る


「あーっと、藍が保健室にいるっていうんで……」


チラリと私を見ながら少し恥ずかしそうに話す"自称"藍の彼氏


こいつ…プライドを捨ておったな!


「へぇー藍ちゃんに会いに、ね。」

「え?なんすか?そんな冷め切った瞳で見ないで!?」



私と姉は顔を見合わし、頷き合った。



___藍はこんなクソ男に渡しはしない。



数分後、渡り廊下中に誰かしらの卑劣な叫び声が聞こえたのは、冬の日のある昼休みのことだった。




((フッ。こんなくらいで倒れるなんて、藍にはレベルが低すぎる))by.姉と私


由莉亜ちゃんの場合*おしまい
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