コレが私の旦那です。
知らない人はいないんじゃないかというぐらい大手の芸能事務所に所属しているこの男。




アイドルなんだろうか、歌手?俳優だった?とにかくなんでもこなしてるこの男は世間でキャーキャー言われていることぐらいは知っていた。




「え・・・もしかして、それだけで嫌なの?」




それもあるけど、それだけじゃない。




「私の名前知ってる?」


「もちろん知ってるよ!佐伯真雪ちゃんでしょっ!」


「どうして名前知ってるの?調べたの?」


「違うよ!さっきも言ったけどずっと好きだったんだよ。中学のころから好きだったんだ!」




周りの目を気にすることなく好きだ好きだと連呼する男は、やっぱり同級生だったと確信した。




中学の時から好きだったと言うが、なんでそのときに言わない。




「すいませんが、約束があるのでこれで失礼します。」




掴まれた腕を振り払い、男から離れていく。




中学のときから好きだったぁ?嘘ついてんじゃねーよクソ男。




好きの逆だろうが。私のことが嫌いで嫌がらせしてただろ。




環境も顔も身体も変わって、成長して大人になった。




昔を思い出し、キラキラ光るネオンがぼやけてくる。



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