涙 と 幸 せ と 、 先 生 と 。

教室に行くと、もう半分くらいの人がいた。





「座席表は・・・げ、私一番前じゃん!!」



「あははっ、琴美ドンマイ!私は・・・後ろから2番目〜!」



「えー、変わってよ席!」



「無理で〜す。」





名簿順の席で、生憎私は真ん中の一番前の席になってしまった。





「最初からついてなーい・・・」



「まぁ、また席替えするから大丈夫だよ!」



「・・・そうだよね、頑張る!」



「だよだよ、じゃあ私席戻るね!」



「うん!」





咲紀が自分の席に戻る。





「はぁ・・・」





咲紀にはああ言ったものの・・・





「黒板近すぎでしょ・・・」





逆に目悪くなりそう。





『おーい、そろそろ入学式だから体育館行けよー!体育館は、廊下の突き当たりの階段上って、渡り廊下渡ったら着くから!』





名前も知らない先生が、教室の皆に呼びかける。





その声を聞いて、皆がだらだらと移動し始めた。





体育館2階なんだ、珍しい。





ってか、普通こういうのって先生が連れてくものじゃ・・・?





まぁいいや。





「琴美、うちらも行こう?」



「うん。」





いつの間にか近くに来ていた咲紀と、体育館に向かった。
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