イジワル同期とルームシェア!?
「伝票ですか?」


何も知らない鈴木さんは、屈託無く私に問う。
話しかけないでくれーと思いながら、彼女の懐っこさはいつものことだと思い直す。
私が卑屈になっていたって、鈴木さんにはビタ一文関係ない。


「そうなんだ。経理に」


「よろしければ、あとで私も用事があるのでお預かりします」


鈴木さんの申し出に、私は首をブルブル振りまくった。


「だっ大丈夫!うちの書類だし!経理の山岸部長に用事もあるし!」


「山岸部長なら、先ほどお昼で出かけられましたよ」


何の悪気もない鈴木さんの返しに、私はアワアワと言葉を探す。
えーと、えーと。


「金村涼子にことづけしちゃうわ。鈴木さん、ありがとうね。お気持ちだけいただきます」


精一杯微笑むと、鈴木さんが私の100倍輝くスマイルを返してくれた。
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