君に恋していいですか?
職場に私情は持ち込まない
よく晴れた昼下がり。

郊外のあるガソリンスタンドでは、客もまばらな時間帯と言う事もあり、スタッフたちは窓拭き用のタオルをたたみながら雑談をしたり、整備の工具の点検をしたりしていた。


客の車が入ってくると、スタッフが待ってましたとばかりに機敏に動き出し誘導する。

「オーライ、オーライ、ハイ、オッケーでーす!!」

スタッフは車を両手で制すると、サッと運転席の窓に駆け寄り、運転手ににこやかに笑いかけた。

「いらっしゃいませ、こんにちは!」

「こんにちはー。レギュラー満タンにして、洗車とオイル交換もお願いね。」

「いつもありがとうございます!」


客の差し出すカードを受け取りながら元気よく対応するスタッフを、一人の女性が少し離れた場所からにこやかに見つめている。


卯月 薫、30歳。

この会社の本社SS部のカウンセリングチーフを務めている。

今日も薫はSSへと足を運び、スタッフと面談をしたり、作業を手伝ったりしていた。


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