つきあかり


「送る」


それだけ言うと祐樹たちとは反対の方へと足を進める。



「え、あっ…」



先々行く俺に焦ったらしいユナは足を縺《もつ》れさせながら俺の後ろをちょこちょこと付いてくる。


ちらりと後ろを見ると一生懸命足を動かす彼女を見ていて、俺の歩くスピードが速かったのか、とやっと気付いた俺は歩幅を小さくする。


それに気付いた彼女は
驚いたように俺を見上げ、ふわりと笑った。





< 40 / 50 >

この作品をシェア

pagetop