飴とノイズと君の声
第一章

不思議な飴

私の席は、真ん中の列の一番後ろ。
だから、教室中を見ることができる。

だけど、私の視線は窓側のある一つの席に向いていた。

その理由は単純で、みんながそこに集まっているから。

学校が傾いちゃうんじゃないかってほど、みんながそこに集中する。

そして、楽しそうに話をしたり笑ったり。

そんな笑顔が溢れる場所の中心にいるのは、決まって彼。


久遠琳くん。

明るくて、面白くて、優しくて、リーダーシップがあって、みんなの人気者。
みんなからは琳ちゃんって呼ばれてる。

そして彼は、今人気の二人組アイドル、゙BAD RAD゙のメンバー。
゙BAD RAD゙は、優しさも激しさもポップさも持った、最高のグループ!...らしい。

私はあんまりそういうの、詳しくない方だから、あまり知らない。

だけど、彼がすごくいい人だってことは分かる。
だって、彼といるとみんなが笑顔でいるから。
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