恋はしょうがない。〜幸せな結婚式〜



真琴の言葉を聞きながら、古庄は堪えきれずにうつむいた。

こんな場面で男の方が泣いてしまうのはカッコ悪いとは思ったが、改めて知る真琴の深い想いが心に沁みて、涙が抑えられなかった。


そんな古庄の様子を、列席する誰もが暖かい眼差しで見守る。



「賀川さん。君はこの古庄くんの妻になることで、気が休まることがなくなるかもしれない。いわれなく妬まれることもあるかもしれない。さらに、もっと大きな困難も待ち受けているかもしれない。君が教師を続けていくとなると、主婦として母親として、君の負担は今以上に重くなるだろう。それでもどんな時でも、夫となる古庄くんを信頼し、彼を支え、永久に愛すると誓うか?」



観衆と同様、校長は優しい眼差しで見つめた後、真琴に向かって質問する。


「はい!誓います」


曇りのない心を映したように、真琴ははっきりと返事をした。


その言葉を聞くまでが、校長の役割だったのだろう。校長はニッコリと微笑むと、一礼をして元の場所へと戻っていった。









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