溺愛シンデレラ
もう一人の王子

シオン様はキョロキョロと辺りを見渡し、私と目が合うとハッとした顔になった。



「兄上!兄上が誘拐してきたと言うのはこちらの女性ですね!?」


「誘拐じゃないよ?俺たちは夫婦なんだから。ね?」


は?

「違います!」


「ほら、彼女もこう言っています!」


よかった、シオン様はまともだった!

そんな感動にうち震えていると、シオン様は私に向き直る。


「兄がご迷惑をかけました。すみません。」


シオン様は深々と頭を下げる。

「もしよろしければお名前をうかがっても?」


「私はシ「シンデレラだよ。」








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