明日はきっと晴れるから




心の中で春町くんの誘いとテスト勉強を天秤にかけ、しばらく揺れ動いていたけれど、

秤はテスト勉強に傾いた。


かき氷とパフェ、どっちがいいかと聞いてくれた彼に謝る。



「ごめんね。今日は私、まっすぐ帰らないといけないの。
テスト勉強しないと……」


「え⁉︎ もう早テスト勉強?
まだまだ先じゃん」


「あ、私って、暗記が苦手だから、何度も繰り返しやらないと覚えられなくて、勉強に時間がかかっちゃうから……」


「そうなの? それにしたって、早すぎだろ。
あと9日もあるのに。

菜乃花ちゃんなら大丈夫。俺らの中で一番勉強できるじゃん。

ね、行こ? 食べるだけだから、そんなに時間かかんないし」


「あの、えっと……」



食べるだけって言うけど、きっと、いや絶対にその後カラオケとか街をブラついたりして、帰宅時間は空が暗くなってからになるとわかっている。


だから、困るんだよ。

今日は……行きたくないのに……。



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