嫌なアイツ




死んだんでは無いのか?と言う嫌なムードの中私達は翔はまだ生きてる!

そう信じて仕事を始める事にした。



翔はまだ長期出張…



そう自分に言い聞かせながら…



私は翔の安否が確認出来ない苛立ちを仕事にぶつけ今まで以上に仕事にのめり込んだ。


廻りが心配するのを無視するかの様に…


でないと自分が潰れそうで壊れてしまいそうで私が私で無くなる気がしたから…


だからがむしゃらに仕事をした。

講師の仕事。
お店の仕事。
母の仕事。

全て時間が余らない様に詰めて考える余計な時間を省き休みもそこそこに働き詰めた。


一人に成るのが怖かったから…


翔の事を考えるのが怖かったから…



夢で翔が戻ってこない…


そんな夢を私は毎日の様に観てたから…


それを現実のものにしたく無かったから


だから私は考える時間はいらなかった。



もしこの夢が現実のものだとしたら私は受けきれない…



受け入れられない…


身も心もズタズタに成るのだけは嫌…

翔の遺体を目の当たりにした時…

私はどう言うリアクションを取ればいいの?かさえ考えたく無かった。



翔は何処かで必ず生きてる!
そう信じて…




< 322 / 450 >

この作品をシェア

pagetop