世界を守れそうな6人
「君達の負けだ」


慌てて眼鏡を直した郁人が旭にそう告げて、やっと彼は悔しさをあらわにした。

馬の3人はそんな旭に“よくやった”と励ますばかり。

騎馬を崩してから戻って来た旭が待っていたのは、脱落し待機中であった柚太。

その表情は満面の笑み。怒っていると思っていただけに、旭はその表情に拍子抜けする。


「これで全てが終わった訳じゃない。まだクラス対抗リレーで高得点が狙えるじゃないか」


落ち込む旭に柚太は彼の頭を軽く叩いた。

感極まった旭はそのまま柚太に抱きつき、悔しさをグランドいっぱいに広がるような大声で叫んだ。

瞬間に全クラスからは大きな拍手が巻き起こる。2組の激闘をたたえるかのように。
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