世界を守れそうな6人
「里緒さんとお話をしている内に、改めて先輩との会話を思い出したんです。
よくよく考えてみたところ、私はあのまま逃げずに喋っていたら、
きっと先輩に怒鳴り散らしていたのかもしれません……
なので今戻ったらやっぱり怒鳴ってしまいそうです……あんな先輩、見たくなかった」


実行しない理由を答えると、咲は何故か泣きたい気持ちに襲われる。

今彼は弱っているから、思わず出てしまった弱音なのかもしれない。

だが咲からすればその発言は“ズルく”もあり、“悲しいもの”でもあった。

更に言えば、自分自身の力を嫌いと言う彼を彼女は見たくなかったのだ。
< 490 / 748 >

この作品をシェア

pagetop