世界を守れそうな6人
「極度の地獄耳って凄いですよね……道理であの情報収集力がある訳です」

「カラオケの時大変だった気もするけど、あの人の事だから根性だとか言いそうですね」

「……この学校作った理由、そこにあったりして。あの理事長の為に作ったとか」


咲や奏がいろんな意味で感心する言葉を吐けば、蛍人は蛍人で意外に鋭い言葉を発する。

その蛍人の発言に誰もがハッとする。ただ単に何の目的もなく学校は作れない。

エヌエスディー学院と言う学校を作った理由が本当にそこにあったとしたならば。

度の過ぎた親ばかではあるが、ある意味ではキチンとした立派な目的とも言えよう。


「その理由が本当ならば理事長も小さい時は相当苦労したのだろうなあ……」


自分の事と照らし合わせるかのように、蛍人が遠くを眺めながら呟いた。

匡平がこの世に生まれなければ出来なかったかもしれないこの学校。

彼らはここで初めて匡平の偉大さを改めて実感し、感謝した。

そうでなければ今こうして彼らも出会う事はなかったからである。
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