男嫌いな私が好きになるわけない!
教室に戻ると、女子が私を睨んでヒソヒソと話し始めた。
すると、叶が私にかけ寄ってきた。
「…萌花、本当に何があったの?」
「……」
やっぱり嘘をついてることくらい気付いてるよね。
私は本当のこと言おう、と決心した。
「叶、こっち来て。」
叶の腕をひっぱって、屋上に行こうとした。
…だが。
「うっわぁ~!友達を使って逃げようとしてる~!久野さん最低~!」
またもや女子が邪魔をしてきた。
「私、そんなつもりじゃないよ。」
へっ…!あなたたちみたいな陰でウジウジする連中とは私は違いますからねっ。
「なっ!あなた、よくそんな口が聞けるのねぇ…。まだ自分の立場が分かってないみたいね。」
「ちょっと接近したからって調子乗ってんじゃないわよっ!」
「顔がいいから落とそう、なんて考えてたらただじゃおかないわよ!っ」
…あれ?何か、褒め言葉が聞こえたような…。気のせい?
だけど、教室の騒ぎはやまない。それどころか、ヒートアップしている。
「あんたたち、るっさいわよっ!!!」
その一言で、教室はシーン…となった。
あらまぁ。叶って結構勇気ありますねぇ。
「…じゃ、私行くから。」
そう言い放つと、私は叶を屋上に連れて行った。
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