音ちゃんにお任せ



「ああ・・・ありがと」




一ノ瀬くんは、少し戸惑いを見せながらも受け取ってくれる。
少し考えた後、その包みを開いていった。



「あんた、これ」

「あ、あの、安物なんです!そんな残るようなもの、迷惑かと思ったんですけど・・・。その」



私が選んだのは、腕時計。
本当に安物のシンプルなもの。



「お仕事をされてるので、必要かと思いまして・・・。していないようだったので」

「・・・サンキュ」

「・・・はい」




恥ずかしくて、顔が赤いです。
プレゼントを渡すのがこんなに恥ずかしいとは思いませんでした。
皆さんの前で渡すことにならなくて、逆に良かったかもしれません。




「顔、あけぇよ」




突然伸びてきた手が私の頬に触れる。
私は胸をドキッと鳴らし背筋を伸ばした。


触れ、触れっ、触れられてしまいました!
あわわわわわ!




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