音ちゃんにお任せ



携帯のバイブが震えているのに気付き取り出すと、着信は冬深ちゃんからでした。



「未江ちゃん、ちょっと出てもいいですか?」

「うん。どーぞ」




未江ちゃんのお家にいる私たち。
未江ちゃんの許しをもらいその場で電話に出ます。




「もしもし、冬深ちゃんですか?」

―音ちゃんッ!おとちゃ・・・っ!お兄ちゃんが・・・っ!お兄ちゃんが・・・!





冬深ちゃんは泣いていて。
気が動転しているのか、泣きながら叫んでいます。

お兄ちゃん・・・?
一ノ瀬くん、それとも、結斗くん?




―冬、代わって




電話口に小さく声が聞こえます。
それは、結斗くん・・・?




「結斗くん・・・?」

―うん。音ちゃん、ごめん。冬が混乱して電話したみたいで・・・

「いえ。あの、何かあったんですか?」





< 182 / 290 >

この作品をシェア

pagetop