失恋ゲーム。

ドンッ────…。

壁と、茶金髪に挟まれてしまった。壁がゴツゴツしているから、痛い。茶金髪の吐息がかかる。

「な、何よ…!」

強気にならなきゃ、負ける…!

負けず嫌いな私は、そう思ってキッと男を睨んだ。

すると、茶金髪は口元を少し緩めて笑った。

「お前、強がりすぎ。涙目になってるじゃん。」

「う、嘘…!」

私は、目を軽く擦った。

「おせぇよ。」

そう言って、口角を上げた茶金髪。な、なんか悔しい…!

「…畑石結愛。お前を失恋ゲームのプレイヤーとして任命する。」

は…?

突然の発言に頭が真っ白になる。頭をブンブンと振って正常にさせる。

「し、失恋ゲーム…?て、ってか!なんで私の名前知ってんのよ!」

笑いながら、言ってきた茶金髪。少し見とれてたなんて事はない。うん、絶対にあり得ない。

「まぁ、それは後でだな。行くぞ。」

と、無駄に長い足を動き出した。

「ちょ、ちょっと待ってよ!行くって何処に!?」

私は、小走りでついていく。

「…黙ってついてこれば、分かるからついてこい。」



< 4 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop