失恋ゲーム。

シーっと、長く細い指を唇にあてた千夏。そういう仕草は、色っぽいが強い。

中性的な顔の千夏は、“イケメン”より“美男子”の方が言葉的に似合う。

「これから何するの?」

「んー……生徒会の自己紹介だよ。まだしてなかったんだ、で、ついでに失恋ゲームについても話さなきゃね。」

その言葉に驚く。千夏は、口元を上げて喋る。

「このゲームのことを言うのは、ここが初めてだよ。……って、言ってもゲームは2回目だけどね。」

「言って大丈夫なの?」

「うん、別に隠すことがないからね。」

そう言って、何処から出したか分からない棒付きキャンディーを舐め始めた。

「そうなんだ……。」

私は、スカートの袖をキュッと握った。き、緊張する……。

「結愛。」

呼ばれて、千夏の方を見た。唇に固いものが当たった。

「これ、あげる。」

少し口を開くと、ほんのり甘い味がした。

「ん…っ、」

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