彼と私の距離
『ピンポーン』


インターホンが鳴る。
私は、ベッドからでてヨタヨタと玄関に向かい、ドアを開ける。


「はーい。どちらさまですかー。」

私がドアを開けると同時にムスッとした機嫌の悪い、悠斗と目が合う。


「……誰だか確認せずドアを開けるな。お前には警戒心というのはないのか、馬鹿。」


「なっ!!バカって!!失礼なっ!」


「……それから。乳出てるぞ。お前。」


私は、はっとして自分の胸元を確認する。


熱のせいで、ということにしておこう。


パジャマのボタンは掛け違い、長年愛用している肌着は胸元がダラーンと伸びきっていて胸の谷間まで見えている。



しまった!よりによって悠斗に見られたっ!


「あ、あはっ。熱でぼーっとしちゃった。」


悠斗はわかりやすく、盛大に、大きなため息をつくと私のおでこに手を当てる。


「……熱。高いの?」
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