ヤンキー?なにそれ、美味しいの?

#10 姫、狼さんのために

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「体育祭、当日だよー!!」


まるで、朝のニュースのように、教室でお知らせをする、体育祭委員の女の子。

その子の声を横耳で聞きつつ、いおちゃんとクラスTシャツで写真を撮った。


「お揃いだね!全員で写真撮ろー!」


ひとりの声にみんなが賛成して整列する中、苺花はモヤモヤモヤモヤ。


「全員、揃ってないのに…」


そんな独り言をこぼしながら、列の端に加わる。


「いい写真〜!!!」


仲良しクラスだと盛り上がる皆にも、どこかモヤモヤして、貼り付けた笑顔はもう限界だった。


「色んな競技があるけど、クラス対抗リレーは絶対勝とうね!!」

「おー!!」


やる気マックスなみんなの中で、苺花だけが胸に突っかかりを感じてる。

皆は何も感じていないのが、悔しくて、悲しくて、
だけど、安達くんはそんなこと望んでない。

それに、苺花がこんなに安達くんのことを言う資格もない。


そんなもやもやで、苺花が俯くと、いおちゃんが優しくポンっと頭に触れた。

最近、いおちゃんとも上手く話せていなくて、距離が空いてしまっていたから。

苺花は、少し緊張しながら、いおちゃんの隣に並んで、グラウンドへと移動する。
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