ヤンキー?なにそれ、美味しいの?


「…もう、いおちゃん、今日も美人過ぎるよ…」

「またそれー?もうそれ聞き飽きたから。」


呆れたように聞き流して歩き出す、いおちゃん。


その後ろ姿は、


大人っぽいブレザーをきちんと着こなして、清潔感そのもので。

膝上のスカートからすっとのびる、長く白い足。

見慣れても良いはずなのに、いつまで経っても見慣れない、

いおちゃんの完璧なルックス。


それに比べて苺花は……。


特別目立った長所のない、ごくごく平凡な自分の姿にため息を落とした。

昔から変わらない、猫っ毛に指を絡ませて、少し先を歩くいおちゃんを眺める。


いいなあ。

苺花も、あんなさらさらで綺麗な髪…ほしかったなあ。
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