イチゴパフェ

「私が選んだことだから。」【Sideー秀】




日和を駅まで送って、家に帰ってきたとき、日和の言葉を思い出した。

“あれは、私が選んだことだから。”


そんなはずない。日和が泣いていたのを俺は知っている。
日和は俺が勉強のために日和と別れたのだと思っている。俺がそう思わせた。

日和はあのとき、涙一つ見せず、分かった、と言った。
俺の方が泣きそうだった。


なのに――結局俺は日和を捨てた。たった半年前まで拾うことさえせずに。





でも俺は―――

“心臓に爆弾を持っている、と思ってもらえたらいい。”

「日和を離したくない」
ずっと一緒にいたい。

だけど

“それがいつ爆発するかは誰にも分からないんだ。”
だけど

“一生、爆発しないかもしれない。”

だけど

“明日にも爆発するかもしれない。”


男避け、なんて。
明日の約束もしてやれないヤツが偉そうに。

このまま爆発してしまえばいいと思っていた。
距離があるままなら、未練もないから。
今日からはそうはいかない。


でも、日和の本当に嬉しそうな顔を思い返すたびに、
“よかった”とも思うんだ。



ごめん日和。

身勝手でごめん。


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