初恋ナミダ。


いつも使っているバス停には、すでに二人のサラリーマンが並んでいる。

その後ろに並ぶと、私は小さく息を吐いた。


うちの両親は仕事人間の夫婦だ。

父はそこそこ偉い立場にいるし、母もそれなりにキャリアがある。

私も妹も1歳を過ぎた頃から保育園に入れられ、私が中学に上がると母は妹の世話を私に頼み、バリバリ働くように。


着るもの、食べるものに困ったことはない。

でも……


1人で食べる食事は味気ない。


今日は妹のお見舞いがてら、夕食を食べてから帰ろう。


心の中で決めると、定時刻に到着したバスに乗り込んだのだった。












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