【完】わたしの恋のキューピッド
「そちら、とってもいいですよ?」


え・・・!?


振り返ると店員のおねえさんが
ニコニコしながら声をかけてきた。


「えっと・・・?」


「その浴衣とっても人気ですよ?
彼氏さんの言ったように、
清楚だけど大人っぽさがあるということで
よく売れてるんですよ?」

あれ?なにかが引っかかる・・・


「あ!えっと!彼氏じゃ・・・!」


「へー?やっぱりな?
俺、女の好みとかはあんまわかんないけど、
センスはあるほうだと思ってますから!」


「ちょっと!!蓮!?」


私が弁解しようとしたのに
蓮は”彼氏”というワードが聞こえなかったのか
うれしそうな表情で言った。


「・・・・・・」



「で、藍?どうするんだ?」


「え!?な、なにが!?」


「だーかーらー!
浴衣だよ!結局なにを買うんだ?」


「うーん・・・」


< 92 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop