元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない
ふたり同時にベンチから立ち上がった。

俯いたままのわたしの頬に触れたのは涼くんの手…


「こっち向いて」


優しい声が涙を誘う。



「咲良……俺のこと好き?」



最後の最後…
なんでそんな事聞くのかな?知ってるくせに、わかってるくせに。




「なんで?なんでそんな事…聞くの?」



見つめた先には涼くんの優しい顔。
決意が揺らいでしまいそうで思わず目を逸らしていた。




「ごめん。咲良の気持ち聞きたくて…」



「………言いたく…ない」



「…わかった。ごめん……」





頬から離れた優しい手の温もりを涙が冷やしていく。
去って行くその背中をじっと見つめて心の中で叫んだ。






”好きだよ涼くん…大好きだよ”
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