2011の空へ
入社決定試合?
あれから数年後。
護衛した男性はあれからすぐ店をやめ
姿を消した。


後から聞いた話、何年か黒服をしていた
大学生だったとか。


男性との出逢いの記憶が薄れ
私は就活氷河期の真っ只中にいた。

昼は就活、夜はホステスと寝る時間もその時はなかった。


ある日、大学のサークルの先輩に気晴らしに誘われた。

先輩は剣道5段で小学生に同時休みの合間に教えていた。

『お前も一応中学剣道部だろ。ちょっと教えるの手伝ってくれ』

いやいやいや!中学校の剣道部なんてたかがしれてますから!

身長が高く体が軽い方だったから他の人より少し動けただけだ。


そんな矢先、
『お前今就活中なのか』

50~60代の白髪混じりの男性が声をかけてきた。

『は、はい』

私はつたなく返事をした。

『なら、俺と一試合してみないか』

ニヤニヤと笑うおっさん

意味が分からなかったが、一試合やらせてもらうことになった。


『はじめっ!』

構えからしてなんかこの人、なんだろう
試合だけやって来ただけではないオーラを感じた。

『ほら、胴が空いてるぞ』

だめだ間合いはこちらが有利でも経験がかなわない。

ならスピード勝負で、、

足を踏み入れ

『面!!』

踏み入れた瞬間、おっさんが

『そこまで!』

『お前、警察官やってみないか?』


え、ホステスの私が、、
そう言おうとしたが飲み込んだ。

『お前素質がある!高校まで出てるのなら
警察官になれ』


なんとそのおっさん、警察学校の元教官で
今はけっこう上の役職らしい。

孫の練習を見に来て今日たまたま来ていた。

つめよられ、就活にも苦戦していた私は
こうして警察試験を受け

なんと合格してしまった。
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