キミ色の手紙~繋がる奇跡~
「俺、西野のこと初めて見た気がするんだけど……レイと知り合い?」


「仁でいいよ。俺も海斗って呼ぶし。
レイは……知り合いっつうか、ある意味敵?かもな」


その時は仁の言っている意味がよく分かんなくて、でも聞き返したら「別に」ってはぐらかされたし、それ以上は聞かなかった。


そしたら、仁が急にスマホを取り出して俺に向かって突き出した。


「何?」


「アドレスだよ、アドレス!!」


あ、メアド交換か。


そう気付いた時には、仁は顔を赤らめて向こうをむいてしまった。


「ごめん、俺、ケータイはトラウマで持ってないんだ。」


「あー、じゃあいい。またな」


そう言うと、屋上から出て行った。




それから仁は、毎日廊下で話し相手になってくれて。


不思議なことに、いじめもぴたっとなくなった。


そして俺は、仁に誘われてバスケ部に入部した。


バスケしてると嫌なことを思い出さなかったし、なにより協力してプレーするって事がすごく楽しくてやりがいがあった。


それで思ったより上達したし、バスケ強い高校に入ろうってなったってわけ。


まあ、昔話はこのくらいかな……―――――――
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