ほたるの初恋、消えた記憶

祐吾の婚約者、中村あかり

祐吾の話をこれ以上聞きたくないとはっきりと断った。


車で送ると言うのを断ったのに、奈々子と私の荷物を奪い車を呼ぶと、直ぐに誠也さんが来た。


誠也さんが祐吾の耳元で何かを話してるのが気になるけど、仕方なく車に乗る。


祐吾は荷物返してくれそうないし。


先に奈々子の家に行き、買った物を奈々子に預けることにした。


そのまま家に向かう車の中でずっと無言。


こう言うのほんやだな。


車が家につくと、何故か祐吾も一緒に下りた。


誠也さんの車はそのまま去っていく。


ちょっと、帰りなさいよ。


「誤解されたままで帰れない。」


誤解も何も私には関係ない事ですから。


家に入ろうとする私の腕を無理やり引く。


「話を聞いてほしい。」


聞いてくれるまで帰らないと言うから、仕方なく話を聞く事にした。


裏山が見える高い場所に座る。


ほたるに泣かれるのは辛いと言うけど、泣いてなんかいません。


ただイライラしてるだけだから。


絶対、泣いたりしない。


















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