ほたるの初恋、消えた記憶

宮東祐吾が民宿でアルバイトするんですか

次の朝目が覚めたのは8時を過ぎていて、慌てて起きた。


父さんも母さんもいない。


大地と雄大が台所にいた。


「姉ちゃん起きるの遅いよ。じいちゃんは畑に行ったし、ばあちゃんは店にいったからな。」


お腹空いたな。


大地と雄大がホットケーキを食べていた。


上手そう。


横から食べようとすると、大地に睨まれる。


「姉ちゃんも分もあるから落ち着けって。」


急いで椅子に座ると、目の前にミルクが置かれた。


思わず顔を上げると、ここにはいないはずの宮東祐吾がいる。


え、どういう事。


あれ、寝ぼけて、宮東祐吾が見えた?


「おはよう。なんて顔をしてるの。」


本物の宮東祐吾だ。


でも、でも、なんで、なんで、宮東祐吾がいるのですか。


「叔父さんに頼んで、土日ここでバイトさせてもらう事にした。」


宮東祐吾がうちでバイト?


ベンツに乗って高校へ通う宮東祐吾が、なんで、うちでバイトするんですか。


叫びたいのを必死で我慢した。


「俺たちは賛成だよ。」


「兄ちゃんの飯うまいし。」


な、な、なんでそうなるかな。


私の意見とか聞かずに決めないでほしい。


「さめないうちに食べなよ。」


思わず、はいと答えてしまった。


「朝食の後、民宿の掃除を頼まれたから。」


掃除をしないといけないのは分かってるけど、宮東祐吾がバイトする必要があるのか。


かなり疑問だけど、今は食べる事に専念しよう。


後で父さんに聞かなきゃ。


宮東祐吾にバイトさせるのはどうしてなのか。


でも、このホットケーキは私が作るのよりかなりうまい。
















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