ほたるの初恋、消えた記憶

誠也さんの初恋

俺は誰にも必要とされてないとずっと思っていた。


祐吾とは兄弟なのに俺はずっと使用人扱いで、それでも構わないと思ってたけど、ほたるに会った時からきみの笑顔が見たくて、でもその子は祐吾の好きな女の子。


祐吾の好きな女の子と思ってたつもりが、いつの間にかきみの姿を追っていたんだ。


スタイルも良くて可愛いのに、猿みたいに野山をかけまわる姿に本当に驚いたよ。


誰も気づいてくれない俺の存在をほたるは気づいてくれた。


祐吾と遊んでる時も、手招きして一緒に遊ぼうよと誘ってくれるし。


ても、あの高い木にはどうしても登れなかった。


祐吾も怖いくせに必死で登る姿は笑えたけど、ほたるが祐吾はやっぱり凄いねと誉めてるのを聞いて、俺も登りたくなった。


祐吾と仲良く遊ほたるをそっと見てるだけでも良かったんだ。


でも、あの雨の日、ほたるが車とぶつかりほたるは記憶をなくした。


母さんが止めなかったら、ほたるは生きていなかったかも知れない。


母さんのケガはたいした事がなくて良かったけど、ほたるは何日も眠ったままで目を覚ます事はなかった。


お願いだから目を覚ましてほしい。


ほたるが目を覚ますまで、ずっと側にいるからね。


祐吾はここにはいない。


連絡をすれば祐吾は帰ってくるだろうけど、父親に又何を言われるか分からないから、連絡はしないことに決めた。




























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