ほたるの初恋、消えた記憶
だからさ、又こうして思い出を作ればいいだろと、祐吾がカメラを向けた。


やだ、撮らないでよ。


髪の毛はボサボサで顔はパンパンだ。


祐吾は可愛いのにって何度も言うけど、一度眼科に行った方がいいよ。


10年前と比べて背はかなり伸びたけど、見た目は何も変わらない。


「俺は今のままのほたるがいいんだよ。食べちゃいたくなるほど可愛い。」


食べちゃいたくなるほどって、どういう意味でしょうか。


恥ずかしくて聞けないよ。


幼稚園頃の映像を二人を見た。


笑い過ぎだ。


祐吾は本当に楽しそうに笑う。


その横顔を見つめてるうちに睡魔に襲われた。


祐吾がいた東京の街を好きになりたいな。


それは祐吾が好きだからなのか。


それとももっと祐吾を知りたいからなのか。


分からないけど、祐吾と楽しく過ごせたら良いなと思う。


夢の中でも祐吾は笑っていた。















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