幼なじみはアイドルの先輩
泣いてしまう要素が揃い過ぎてるので、葉月に釘を刺してから弾き語りを始めた。


歌ってる途中でこれが逆の立場だったら、私は人目も気にせず号泣だろうなあって思ってしまった。


10年も一緒に活動出来なかったけど、お互い濃密な時間を共有してきたね。


私の言いつけを葉月は守ってくれた。


「みなさん、貴重な時間をいただいてありがとうございます。引き続きお楽しみください」


全て終わってないから、葉月とは握手も抱擁もしない。


旧事務所に戻ってきた時には、涙がポロポロ出てきた。


亜矢さんたちにいじられるよ。


ソファーに横になり、タオルで顔を覆った。


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