幼なじみはアイドルの先輩
劇場公演後、帰り支度を始めてたらかかってきたよ。


『ごめん!急いでるから手短に話すね』


文さん?自分から電話しといてそんなこといきなり言う人初めてですよ。


確かに電話の向こう側から新幹線の到着時刻を告げるアナウンスが聞こえるけどさ。


それでも口に出さないのが、友達に対する長年の付き合いで生まれた優しさですよ。


「よかったね」


『うん!ここでも杏とゆかりと遊べる。早く仕事覚えて立派な社員になる!じゃあね』


一方的に切った。


「彼氏から?」


「うお!!葉月かよびっくりしたあ」


無警戒だった。


いきなり背後から葉月がぬ〜っと顔を出して私のスマホを覗きこもうとした。


「彼氏じゃないし。同級生だった女友達。今度ランチに誘うけどいい?同郷だよ」


「マジで〜!同郷大歓迎。全然OK」


この日も真帆さんが遅れるとのことなので、2人でカフェに立ち寄った。


ポップコーンはまたお持ち帰りになっちゃったよ。


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