幼なじみはアイドルの先輩
「ただし、守ってほしいことがいくつかある」


香の表情が厳しくなった。


当然と言えば当然か。


「あたしとあなたの関係と杏のことは絶対に誰にも漏らさないで」


「もちろん」


予想できた条件だ。


香のおかげで父親のことにはまるで関心がないみたいだから、その努力を無にするわけにはいかない。


「例えアイドルになれたとしても、杏の性格からしてセンターでバリバリ歌うってありえないことだから。表で頑張れる子じゃない。そこ気を遣って」


「了解」


心配ない。香の言った通りに育成する。


「最後は、受かった後だけど、桂木エージェンシーにお世話になるつもりだから」


「ちょっと待ってくれ」


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