幼なじみはアイドルの先輩
ゆかりは阿久津プロデューサー補から合格者の名前が記載されてる用紙を受け取って名前を目で追った。


「あたらんといて」


「今日はもう何も思い浮かべないよ」


麗奈ちゃんと綾女ちゃんが視線を落としてボソボソ呟いていた。


「そうですね〜。では、最後に締めるということで、３５番の水原さん、よろしく」


なんでこんな時に指名するんですか？


「前に出てください」


後で説教してやるよゆかりさん。


カメラが近づいてくるよ。


さっさと終わらせよう。


「…………、私たちは今日オーディションに合格はしましたが、これからがスタートだと思います。お互い切磋琢磨し、先輩たちに１日でも早く追いつき追い越せるようになります」


割れんばかりの拍手をいただきました。


「これから頑張っていきましょう」


しゃくにさわるけど、この世界では先輩のゆかりだから黙って握手しました。


ゆかりは１人１人握手をしてそそくさと出ていきました。


わけもわからず撮影も始まり私たちのアイドル活動がスタートしました。


ゆかりを先輩として敬う日々が始まると思うと笑ってもいられない。
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