幼なじみはアイドルの先輩
「緊急の……運営会議が……」


その言葉を誰よりも耳に入れたくなかった。


またメンバーに直接クビを伝えねばならない。


「なんだよ。一体どうしたんだ?」


『実は……来週の週刊誌に芽生と内野がファンの男の子数人とカラオケボックスで遊んでるところを撮られたのが載るようです』


榊は冷静に伝えようとしてるが、俺には事態がどうも呑み込めない。


座って話をしたいが、近くに落ち着けるとこがない。


「それが何だよ。とにかく夜事務所に寄るから久留米を帰らせないようにしといて」


「……わかりました」


立ち話はイライラを増幅するだけだ。


事後報告ってことは、俺に芽生と内野を……。


いや、いくら久留米でも……。


そんなことしたらグループが……。


桂木よ。思わぬところで久留米をアシストしてくれたなあ。


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