幼なじみはアイドルの先輩
愛結にはドタバタして悪いが、急いで病院に帰る支度をし、メンバーにバレないように会場から出た。


病院に戻る途中熱を計ったが、幸いなことに熱はない。しかし、今にも寝そうな勢いだったが、車が揺れる度に目がパッチリ開いた。


病院に到着し、病室に入った時は愛結はもう夢の中だった。


しばらくは看護師さんに任せて俺はデイルームで缶コーヒー飲みながらホッと一息。


まずは何事も起こらずよかった。


この嘘はついてもいいんだよな。


愛結を守るための大事な嘘なんだよな。


自信がない自分を奮い立たせていたら、結子さんが声をかけた。


「今日はありがとうございました」


結子さんがチラッと俺の手元見たのがわかった。


結子さんの手には缶コーヒーが。


なんという待てない男でしょう。


「よかったらどうぞ」


……頭が下がりません。


俺は2本目の缶コーヒーに手をつけた。


「本人はメンバーに会えて嬉しいと思いますよ」


「……そうですね。これでよかったんだと思いますよ」


この答えは時間がかかるのは目に見えてるので、お互いスッキリしないまま時が流れていく。


看護師さんから中に入ってもいい許可が出たので病室へ。


「今日はもう寝てますね」


「そうです……ん?ちょっと待ってください」


近くに寄って見てみると、愛結が半笑いで寝てるのがわかる。


「愛結……笑いながら涙流してる」


乾きかけてるが、目から汗が。


寝言で3位だって言ってるよ。


「これで失礼します。彼女の夢の中を邪魔するわけにはいかないので」


きっと夢の中では愛結が望んでいた選抜祭の最中だろう。


夢の中での愛結に敵うものはいないから。


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