私の上司

プレゼント




「今日さ、一ノ瀬部長とランチしたんだろ?
良かったじゃん。」




パソコンのキーボードを叩いていた手を止めて伸びをしながら面白そうに

私の顔を覗き込んでくる麻木さん。




『…私から誘ったわけでも無いんですけどね。』




麻木さんを軽くあしらいながら

一ノ瀬さんの笑顔とふわふわのウサギの人形を思い出していた。







初めての食事。



一ノ瀬さんナイフとフォークのマナー凄く綺麗だったなぁ。





…見るだけで育ちの良さが分かっちゃうくらいで。






その後に付き合ってくれた雑貨屋さんは可愛い物が沢山並んでて…





少し一ノ瀬さんがいるのは不似合いだったけど(笑)






楽しかったな。


特にあのウサギのお人形!






本当は欲しかったんだけど
ランチも奢って貰ったし
いくらなんでも図々しく思って遠慮したの。









…今日奮発して買っちゃおうかなぁ、ウサギさん。









ふわふわの体に着せてあるのはピンクのドレス。







クリクリのつぶらな瞳が私を映しては輝くの。





欲しいな…


デスクの隅にちょこんと座らせてみたりして。
…きっと一ノ瀬さんには白い目で見られるだろうけど。





ブルーのドレスとピンクのドレスのウサギがいたけど
まだピンク、残ってるかな…?








お財布の中身を確認してから
想像して少し幸せな気持ちに浸った。




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