お前、可愛すぎて困るんだよ!
きょろ、きょろ、きょろ……。



あたりの様子をうかがってみる。



聞くなら……優しそうな人がいいな。



もちろん、女の人で……。



そう思ったときだった。



「どうしたの~?
こんな廊下のはじっこで。
きょろきょろしすぎ~」



背中から、男の子の声がした。



「……え?」



チラッと後ろを振り向くと、背の高い男の子が、妃莉をのぞきこむようにして立っていた。
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