お前、可愛すぎて困るんだよ!
「うん、でも。
よかったな、妃莉。
これで、一個、忘れ物が減った。
翠、ありがと」



碧くんは、ぽふっと翠くんの頭をなでた。



「……っ。
よせやい、碧くん。
セットした髪型が崩れんだろっ!」



口ではそんなことを言いながらも、うれしそうな翠くん。



「んじゃ、気をつけて。
いってらっしゃ~い!!」



元気な明るい声を張りあげた。



玄関先で、盛大に手を振る翠くんに見送られ、妃莉は碧くんと一緒に駅に向かった。
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