お前、可愛すぎて困るんだよ!
「……え?」



「妃莉ちゃんを……。
笑顔にしてあげるって言ったでしょ」



「う、ん……」



「だから、着てな。
っていうか……。
着ててください」



そう言って片倉くんは、妃莉からカバンを取り上げた。



「さすがに、そろそろ動いてほしいから。
あの人に……」



ちょっぴり悲しげな目を妃莉に向けてから、片倉くんは階段に向かった。

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