禁断の果実

時計の針がちょうど一周する頃、
絢芽が口を開いた。


「明日・・だから・・・・
 
 部屋・・開けといてくれないかなぁ」




部屋に・・ソイツがあがるのか。




俺の心は複雑だった。
妹のそれを、喜ぶのか。
それとも、どこかの父親のように
怒り、嘆くのか。




「まあ、いいけど・・」

いつも陽気な馬鹿な絢芽の声
が真剣になったのにつられて、
俺も真剣になった。



「有難う・・翔」



そういわれて、俺は何を言えばいいのか
分からず、黙りこくる。


そして、絢芽も何も言わないようになり、
起きたまま一晩過ごした。



妙に、時を刻む音が
大きく聞こえる夜の事。


< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop