今日もあなたが。
♡×7



ピンポンパンポーン......
「もうすぐ桜ヶ丘高校ベストカップル選手権を行います。参加したい方は中庭までおこしください。」


「見に行きますか?笑」
「だな笑」
私たちは教室を出た。

中庭には全学年のいろんなカップルがいた。
我が校のベストカップル選手権とは、カップルがお互いの想いを話して審査員が1番を決めるというイベントである。

「おーい!お前らここにいたのかよ...」
男バスが集まってきた。
「なんでお前ら一緒にいんの?」
龍先輩が突然言った。
「あ、さっきそこで会って...」
思わず私は嘘をついた。
「あっそ、俺トイレ行ってくる。」
この人は本当に人に興味がないんだな...笑

「陽菜〜!」
「柚菜〜!さっきはごめんね。」
「ううん!全然大丈夫!」
「で、話ってなんだったの?」
「あ、あのさ...私ね...」
「俺、柚菜ちゃんと付き合うことになった。」
そう言ったのは優樹先輩...。
「えっ、えぇーーーーーー!!!」
そこにいた男バス全員が驚いた。
「そーゆーこと...笑」
柚菜が恥ずかしそうに言った。
「いや、あの...おめでとう!!
優樹先輩、柚菜をよろしくお願いします!」
「こちらこそ。」
「てか、それなら選手権出ればよかったのに...」
茉梨先輩がつぶやいた。
「優樹くんが恥ずかしいからって笑」
柚菜が笑って言った。
「優樹くんだってよぉー!笑」
男バスの先輩たちがからかう。


「それでは次のカップルは...
おぉ!まさか今日誕生したのかなぁ?
1年8組 薩摩 陽菜ちゃん
2年5組 桐谷 零くん」
会場がざわめく。
それよりビックリしてるのは私たちだった。
「えっ?陽菜まさか...」
「違う違う...えっ...」
そこに龍先輩が戻ってきた
「俺がエントリーしといた!
さつまあげ!行ってこい!!」
「龍、あんた何してんのよ!笑」
茉梨先輩が笑って言った。
「あれぇー?2人いないかな...?」
会場がこっちを一斉に見た。
私は零先輩を見た。
「零、行ってこいよ!」
優樹先輩が零先輩の背中を押した。
..............................。
零先輩は私の手を掴んでステージに登った。
「はい!じゃあまずは桐谷くんから!」
マイクを渡された零先輩は静かに話し出した。
「俺は別にこいつのことが好きではないです。」
会場がシーンとした。
気にせず零先輩は続けた。
「でも、この世界で1番俺のこと考えて生きてるやつだと知りました。
いっつもバカ正直で走り回って、たまに怖い夢見て寝れなくなって、まだ俺はこいつのこと全然知らないけど...
これからもっと知っていこうと思います。」
すると優樹先輩が
「なんでー?」
と叫んだ。
零先輩は少し黙ってから
「......。大切な人だから。」
と答えた。会場からは大拍手。
「素晴らしい!じゃあ次は薩摩さん!」
零先輩にマイクを渡された私は
「あの、私見た目もこんなんで今日なんて似合わないメイド服着せられて、零先輩に似合う人になりたくてもなれなくて、だけど誰よりも零先輩を見てる自信はあります!
私は...零先輩が好きです。」
すると柚菜が
「なんでー?」
と叫んだ。会場からは笑いがおきた。
私はニコッと笑って
「大切な人だから!」
と大声で答えた。
会場からは笑いと拍手がおきた。


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